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親愛なるエドワードエルリック様。
あなたが旅立ってからずいぶんと日が経ってしまいました。元気にしていますか。アルとは喧嘩していませんか。ちゃんと食べていますか、眠っていますか。機械鎧の手入れはしていますか。機械鎧はたぶんそちらの世界にはない一点物でしょうから、手入れを怠って壊してしまわないか心配です。
あたしは、あたしは相変わらず機械鎧の修行ばかりしています。ホント、相変わらずでしょう?でも、これでも腕は上げたんですよ。今あなたが付けている機械鎧より、もっと高性能な物が作れるようになったんです。そう言ったら、あなたは悔しがるかしら。
ばっちゃんも相変わらず元気です。むしろこの頃ますます元気になって、生き生きと仕事をしているわ。デンだって元気。もちろんリゼンブールの人たちも。あなたとあたしが知っている人は、みんな活動的に過ごしています。
それにこの間、リザさんと会いました。あ、あなたがわかりやすいように、中尉って言ったほうがいいのかしら。リザさんは忙しいのにあたしの話を聞いてくれて、そして色々話をしてくれました。軍は、今は街の復興や体制の立て直しで忙しいらしいけれど、それでも、みんな前を見据えて進んでいっているそうです。
ですから、あなたは、この世界のことについて、なにも、心配などしなくてもいいのです。
………。
…………………。
ねえ、エド。
あなたがここを去ってから、あたしは何人もの人のあなたに対する悲しみや怒りの感情を聞いてきました。
どうして?なんで?どんな理由で、ここを、去った?
シェスカは、あたしのために、泣いたりもしてくれました。あたしの代わりに、怒ってもくれました。同じように、彼女と同じような言葉をあたしにかけてくれる人たちも、いました。それは、あたしにとって、とても、嬉しい、もの、でした。
でもね、エド。
それらの言葉を聞いても、あたしの心は静寂のままなのです。あなたに対する憎しみも怒りも、それらはすべて無のままなのです。
苦しみが、ないとは言い切れません。
悲しみが、ないとどうして言い切れるのでしょうか。
けれど誰があなたを許さなくともあたしが、あたしがあなたを許したら、あたしは、あたしはあなたが幸せだと信じてもいいのでしょうか。
元気にしていますか。アルとは喧嘩していませんか。ちゃんと食べていますか、眠っていますか。機械鎧の手入れはしていますか。幸せ、ですか。どうか、幸せであってください。
ですからあなたも、あたしが幸せであるようにどうかどうかその彼方の世界で祈っていてください。
誰があなたを許さなくても私が
(とにかくお題/squeezed orange)
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