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ぴりぴりと、エドワードとウィンリィ、2人の纏う空気は緊迫感を漂わせている。ウィンリィは思いっきりエドワードを睨み付け、エドワードは彼女を睨み付けはしないものの、憮然とした態度を取っている。
お互いにお互いを見つめており、けれどそこにあるのは張り詰めた空気ただそれだけ。静まり返った空間。そこで先に口火を切ったのはウィンリィの方だった。
「エドなんか嫌いよ。だーいっきらい!」
瞳に涙を浮かべながら、強く言い切る。エドワードはその言葉と表情に動揺したが、しかし憮然とした態度を保ったままウィンリィを見つめ返す。
「アンタなんか、アンタなんか。だいっきらいよ!あたしがいっくら注意してもすぐに機械鎧壊しちゃうし牛乳だって飲めって言ってんのに飲まないし人の話ちゃんと聞いてくれないしそれにお腹すいてもいないくせにあたしの作った料理無理して食べるしいいって言ってんのに荷物ももってくれちゃったりするし無駄にやさしすぎるのよ、アンタはッ!」
一気にまくしたてて、ウィンリィは再度エドワードを睨み付ける。胸に溜まっていたものを全てぶちまけたかのように、ウィンリィはぜぇはぁと肩で息をした。真っ赤になった顔は真剣な眼差しをしている。きゅっと唇が引き結ばれ、頬は紅潮を宿している。
きっ、と睨み付けられている。だがエドワードがそれを気に止めることはなかった。先程の憮然とした態度を今や完全に忘れて、呆気に取られた表情でウィンリィを見やる。
「…………あのさ、ウィンリィさん」
呆然としたまま言葉を紡ぐ。
「何よ」
「いや、オレたち喧嘩、してんだよな!?」
むっとした表情を保っているため、ウィンリィは今さっき自分が放った言葉に気付いていないのだろう。エドワードは少し視線を彷徨わせ、そして再び彼女を見やった。
「何かソレけなされてないっつーか、むしろそんな顔して言われたら思わず抱き締めたくなるんですけど……」
口元を手で覆い、若干顔を赤らめながら告げられた言葉。それの意味を最初ウィンリィは気付くことはなかった。が、しかし、自分の言った言葉を思い返してみて、ボンッとまるで熟した林檎のようにその顔を紅く染めた。あわあわと視線を何処に合わせたらいいのかわからなくなる。けれどウィンリィはぎゅっと手のひらを握り締めたあと、
「っ、そ、そ、そう思うんなら抱き締めてみなさいよ。バカ―――――――ッ!!」
そうして恥ずかしさに紛れて精一杯叫んだ。
「へいへい」
エドワードはぽりぽりと頭を掻きながら一歩足を進めた。ウィンリィはそれにびくりと反応したものの、負けるものかと顔を真っ赤にしたままエドワードを睨み付けた。だがそうした表情と潤んだ瞳には彼を止める効果はない。エドワードは苦笑をこぼしながらもう一歩進む。そうしてウィンリィを抱き締めるためにその手を伸ばした。
君という最高の卑怯者を
抱きしめる
(何だかお題/squeezed orange)
珍しくちゃんとエドが攻めてる!笑。
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