不透明な牢獄



 室内にはカーテンが引かれ、うすぼんやりと昼の太陽の日差しが目を掠める。窓は開かれていないため、牢と牢を遮断する鉄格子のように微動だにせずその布切れが垂れ下がっている。暗幕の役目も果たせない古めかしいそれ。あぁ実際これは鉄格子なのだろう。何人の侵入も許さず脱走などは論外のこと。ただ永劫にここに閉じ込めておこうと企むわかりやすすぎる楔。
 かはりと息を吐いてエドワードは浅い呼吸を繰り返す。何の受け身もとらずに机の上に身体を押さえ付けられた衝撃で内蔵が圧迫され背中もじりじりと痛む。手は汗ばみ握られて机に押しつけられた手首はどれだけ力を入れても動きはしない。
「…こッの、変態クソ野郎がッ!」
「なんとでもいいたまえ」
 睨みあげても相手はただただ皮肉に笑うのみ。
「それでも私は、この行動を止める気などない」
 その瞳には渦巻く狂気。獲物をとらえた肉食獣のように鋭く、痛く、慈愛に満ちて、エドワードを拘束する。捕われた動物にあらがうすべはなくただ淡々と宣告を待ち体内から鮮やかな血を流しだす。
 触れる肌、吐息、何もかも。

 引かれたカーテンはふわり。未だ一度も揺れることなく室内を暗く閉ざしていた。