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ぴちゅぴちゅと鳥たちの囀りが聞こえる中。浮上してくる意識をそのままに、ツナは自然と目を開いた。豆電球が付いた部屋は薄闇に包まれているが、しかし僅かに開いたカーテンの隙間からうっすらと光が入り、今がもう朝だということを知らせていた。
寝呆け眼のツナは無意識にそのことを感じ取り、そしてぼんやりと辺りに視線を彷徨わせた。
いつだって朝は平等にやってくる。しかし今日はなんだかいつもとはまた違う雰囲気感じていたのだ。
閉じかけた目で周りを見渡す。そして、およそ30センチも離れていないところ。そこで、こちらを向きながら眠っている獄寺の姿を見とめて、ツナはシーツごと思いっきり身を退いた。
まざまざと意識が覚醒していく。顔が赤くなっていく。獄寺が何故そんなところで寝ているか、と疑問に思うことはない。思うはずがない。
あぁそういえば昨日獄寺君と……と、そこまで考えて、ツナは顔からボンと湯気を出した。思い出すのも恥ずかしい。落ち着け自分、とばくばくと鳴りだした心臓に手を置きながら深呼吸をする。
すぅー、はぁー、と呼吸を整える。そして心音が治まってきたのを確認したあとに、再びツナはちらりと獄寺を見やった。獄寺はツナがシーツを引っ張ったにもかかわらず、そのまま眠っている。起きる気配は見られない。それにほっと安堵しつつ、ツナは獄寺からちょっと距離を置いて、再度シーツに包まった。
静かな空気が辺りを支配する。
人というものは、一度目が完全に覚めてしまえば、再び眠りに就くのは難しいものだ。もう一度眠ることもできずすることもないツナは、シーツに包まりながら、真正面で寝息をたてている獄寺を見つめてみた。
獄寺とは中学時代に出会い、それからは些か誇張だがずっと一緒にいたのだが、しかしこのようにまじまじと顔を見つめることは初めてだ。
(あ、しわ寄ってない……)
いつもいつもしわを寄せている獄寺の眉間は、今はなだらかだった。しわを寄せていない彼は普段より幾分か幼く見えた。無防備な姿。起きているときには見られないであろう表情。そんな普段とは違う面を見つけて、ツナは嬉しくなってきた。
(……肌きれぇだなー………鼻もたかいなぁー………あ、睫毛ながーい………)
じぃと獄寺の顔を見つめる。しかしその時に、彼の目蓋が僅かに開いて、ばちりと彼と目が合ってしまった。
「あ……」
気まずい。なんとなく気まずい。目を合わせたまま、ツナは少し冷や汗をかいた。
寝顔を見られていたということは、果たして気分のいいものではないだろう。自分なら絶対いやだとツナはそう思う。
だが目が合ったこの状態では、言い逃れは免れない。
「じゅう、だい……め…?」
「お、おはよう」
目が合ったまま、とりあえずは朝の挨拶をしてみる。にこっ、と、何処か不自然なまでの笑みをたたえてだ。
獄寺はしばしぼぉっとツナを見つめて何度か瞬きを繰り返したが、
「おはようございます………」
へらりと笑ってツナを抱き締めて、再び眠りに就いてしまった。
焦ったのはツナだ。
「えっ?や、え、ちょっと…!?」
予想外の出来事にツナは戸惑った。だが当の獄寺はツナを抱き留めたまますーすー寝息を立てている。その表情は、多分に幸せそうであった。
それを複雑な面持ちで見つめたあと、ツナはぽすんと頭を彼の胸板に寄せた。
(ね、眠れない……)
ばくばくと、心臓がうるさい。顔が真っ赤なのも自覚できる。それを抑えるためにも、ツナは心を落ち着かすようにきゅっと目を閉じた。
あなたが無自覚なのが何より
一番の問題だと思います
(とにかくお題/squeezed orange)
何だかんだ考えながらもこのあとツナも寝ちゃってそんでそのあと、今度は獄寺が先に起きてこの状況にあわあわオロオロすればいい…!(ヘタレ獄寺推奨)
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