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マフィアランドに行きました。(ヒバリさんと一緒編)
上を向けば澄み渡った青空に色とりどりの風船が浮かんでおり、下を向けば真っ白な砂浜と青々と輝く海原が広がっている。あちらこちらに張り巡らされたテーマパークのアトラクションは大勢の人を乗せ、絶える事無く作動している。人々が集い賑わうマフィアランド。
そこでツナは、ホテルの窓から外を眺めながら深々とため息を吐いた。
「あの、ヒバリさん。少しぐらい外に行きませんか?」
窓に手をついたまま、ツナは後ろを振り向く。呼び掛けられた雲雀はワインをグラスへと注いでいた手を止め、ツナと目を合わせた。
昨夜から、珍しくツナが仕事をサボらなかったおかげかどうかはわからないが久しぶりにツナと雲雀の休暇が重なり、こうして二人でマフィアランドに来てみたはいいのだが。島に着いたやいなや即行雲雀にホテルに連行され、ツナはマフィアランドに来てから丸一日中一歩たりともホテルの外に出ていなかった。
せっかくマフィアランドに来たというのにそれはひどく勿体ない。
ツナはそう思い雲雀を外に出ようと誘う。しかし、雲雀はむっとした顔となりツナを後ろから抱き締めた。
「そんなに群れたいの、君」
「はい!?」
耳元で囁かれてくすぐったいなぁと思いながらも、ツナは言われた内容を聞き返す。聞こえなかったわけではないが、予想外の言葉に反射的に問い返してしまった。
「そんなに群れたいなら僕は止めないよ。さっさと行きなよ」
「ヒバリさん…」
言いながら、けれどツナの腰に回した手を緩めることのない雲雀にツナは苦笑する。窓ガラスに映る雲雀はしかめっ面をしているが、きっと拗ねているのだろう。ツナはくるりと雲雀の腕の中で体勢を変えて、正面から雲雀を見上げた。
「群れるとか群れないとか、そんなんじゃなくてですね。ずっと部屋の中にいてヒバリさんつまんなくないのかなって思ったんです」
雲雀と視線を合わせて、ツナは話す。雲雀は一瞬だけ目を見開いて、そしてツナの髪をさらっと梳いた。
「僕は綱吉といるだけで満足だよ。綱吉がいるんならどこだっていい」
言って、雲雀はツナの髪にキスを落とす。それを間近で見てツナはあわわわわわっと顔を赤くして挙動不振に陥った。イタリアに来て以来ずいぶんとお世辞には慣れたつもりだが、不意打ちにはまだまだ弱い。本当にこの人は日本人なのかッ!?とツナは雲雀をじと目で見た。
「何?」
「イエ、ナンデモナイデス」
不思議そうに見てくる雲雀から視線を逸らしてツナは答える。この人に何を言っても無駄なことは百も承知だ。沸騰直前の顔をなんとか平常時のように戻そうとツナは深呼吸をする。ぐるぐると回る頭を落ち着かせようとして、先程のツナがいるのならどこだっていいという雲雀の言葉にアレっ!?と頭を悩ませた。
「じゃあ別に、マフィアランドに来なくてもよかったですね」
「そう?」
「そうですよ。だって、ほとんど邸にいるのと変わりないじゃないですか。それだったらずっと邸にいたほうが休まっただろうし」
違うんですか、とツナは雲雀に尋ねる。雲雀はまぁそうだろうねと肯定したあと、くつりと笑った。
「でも、いいんじゃない。ここも。何より僕と綱吉の仲を邪魔する奴らがいないんだし」
「うわっ!」
突然身体が浮遊感に襲われて、ツナは思わず声を上げる。雲雀がツナを横抱きにしたのだ。そのままの状態で雲雀はすたすたと歩きだし、ベッドにツナを横たわらせる。そしてツナが起き上がる暇もなく、自身もその上に乗り上げた。
「…………あの、ヒバリさん」
「何?」
「…………昨日からヤってばっかのような気がするんですけど」
「いいじゃない。邪魔な奴らはいないんだから」
にんまりと笑って、雲雀はツナの額や頬、首筋にキスを落としていく。ツナは呆れたようにため息を吐いたが、次の瞬間は困り顔で微笑んだ。マフィアランドに来てまで何だかなぁという思いは非常にあるが、けれど相手がいれば何処であろうが幸福だという気持ちは雲雀と一緒だ。
ツナはにこやかに笑う。そして雲雀の背中にゆっくりと腕を回した。
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