ポッキーの日



 ポッキーゲームはなんて非効率的なゲームなんだろうかと雲雀は思う。
 一つのポッキーの端と端を互いにくわえて食べていく。食べ進めれば何のことはない。当然唇と唇が接触する。要はキスをしたいがための口実だ。
 まどろっこしい。煩わしい。馬鹿らしい。
 ぐいっと雲雀はツナの顎を持ち上げて、噛み付くように唇を奪った。捕食する。
しばらくすると息苦しいのかトントンと胸元を叩かれた。けれど雲雀は無視を決め込んだ。時間をかけてじっくりゆっくり味わい尽くす。満足したところでようやく彼女の傍から静かに退いた。
「やっぱりこっちの方が効率的じゃない」
 ポッキーなんかに頼らない方がずっと直接的でずっと長く楽しめる。
「君もそう思わない?」
「なにがですか!」
 ツナは突然のことに動揺を隠しきれていないままだ。顔を朱に染め腕で口元を押さえている。
 同意を求めたが期待した答えは返ってこなかった。だが、そもそも雲雀は彼女に意見など求めてない。
「うん。邪魔だね」
 ツナの怪訝な顔も気にもとめない。
 雲雀は1人、ただただ納得したようにうなずいた。