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「はひっ!つ、ツナさん未だにリボーンちゃんと同じ部屋で寝ているんですか!?」
「う、うん。まぁ、同じ部屋っていうか一緒のベッドだけど」
「は、はひっ!?」
「え、ハル。これってそんなに驚くこと…?」
「お、驚きますよ!驚くに決まってるじゃないですかっ!え、えっ、な、何でですかっ?」
「えっ?いや、何でって言われても……ほら、昔リボーンってハンモックで寝てただろ?」
「は、はい」
「でもでっかくなってくにつれてそこに寝るのが無理になっちゃって……で、あいつが5才ぐらいの時かな。いきなりベッド占領されてさ。もーまいったよ。でもオレ他に寝るとこないしそもそもそのベッドオレのだし。だから一緒に寝るようになって。それで今もその延長で……」
「そうなんですか………って、は、は、は、破廉恥です!破廉恥ですよツナさんっ」
「えっ、ええ―――――ッ!?な、何でそうなるのさっ」
「だって妙齢の女性が男性と床を供にするだなんて、そんな…!」
「いや、落ち着いてハル!その表現思いっきり間違ってるっていうかそもそもオレとあいつそんな関係じゃないしっ!」
「た、確かにそれはそうでしょうが、でもッ。……………と、いいますか…そういえば」
「ハル?」
「あ、あの、ツナさん。今リボーンちゃんって、じゅう…」
「じゅう…?」
「十………いくつでしたっけ?」
「あ、あぁ、歳?それなら確かもうすぐ11になるはずだよ」
「11歳、ですか………」
「それが、どうかした?」
「いえ、あの。あの………それ位の男の子って、家族同然の関係でなくても、むしろそんな関係であってこそ、年上の、しかも女性と同じ部屋で寝るのを、嫌がるような年頃なんじゃないかなぁと思いまして」
「へ?」
「思春期独特の反抗心といいますか、羞恥心といいますか、とりあえずそーゆーのが出てくると思うんですよ」
「え、そーなの?………リボーンも、そ、そーなのかな?」
「それは、わかりませんが。でもリボーンちゃんも大人びているとはいえまだまだ子供ですし……多感な年頃ですし……」
「……………そっ、かぁ。そうだよな。昔と同じ感覚でずっといたから、そんなこと全然考えたこともなかったよ」
「あ、で、でも。こんなに広いお屋敷の中で、それも部屋もたくさんありますのに、一緒の部屋にいるっていうことは、そんな心配しなくても大丈夫ってことですよね」
「ど、どうなんだろ?オレにはあいつが何考えてるかさっぱりわかんないしさ」
「ツナさん」
「う、うーん。実際のところは、どう思ってるんだろうね」
「って、いう話をハルとしてさー。で、どうなの?実際のところ」
ベッドの上にぼふりと座って枕を抱き締めながら、ツナはリボーンを見てことりと小首を傾げた。話の内容を始終聞いたリボーンはベッドサイドを整えていた手をいったん止めて、ひくりと口元を引きつらせた。頭痛がしてくる。
「バカか、おまえは」
「んなっ。バカってなんだよ、バカって。人の気遣い一蹴かよっ」
呆れた視線を向けられて、ツナは思わず反論してしまった。だが尚も冷たい眼差しを向けられて、ツナはうっと怯む。
「だ、だって。だって考えてみればさ。ランボも9歳とか10歳ぐらいのとき妙によそよそしい時期あったし。そんくらいの歳の男の子ってそんなものなのかなぁーって」
「俺とあのアホ牛なんかを一緒にすんな」
ばっさりと切り捨てられた。ツナはうぐと言葉に詰まって、枕に込めた力を更にぎゅっと強めた。
確かに普段から格下扱いにしているランボを引き合いに出したのはまずかったのかもしれないが、しかし他に比較対照が見当たらなかったので仕方がない。
抱き締めた枕に顔を突っ伏しながら、だってさー、とツナはもごもごと呟く。これ以上リボーンになにを言ってもざっぱりと切り捨てられるような気がするが、気にしない。そもそも、彼はツナの問い掛けを一蹴するだけで、実際どう思っているのか、それを言ってはいないのだった。
さて、どうやって本心を聞き出すか、とツナはうんうんと枕に顔を突っ伏したままで唸る。唸っている最中に、はぁーと大きなため息が聞こえてきた。
「おまえは……」
「へ?」
リボーンの声に顔を上げる。ひたりと、まっすぐに真っ黒い瞳が向けらていた。ツナは、はてと首を傾げる。
「おまえは、どうなんだよ。1人で寝てーのか?」
問い掛けに、ツナはすぐには答えられなかった。はたはたと榛色の瞳を瞬かす。リボーンはベッドに腰掛けた状態で彼女を見つめていた。
「え、えーっと、そりゃあ、まぁ、1人で寝たいなーって思うときもあるけど。…………でも、ま」
苦笑を洩らしたあと。にへら、とツナは笑う。
「6年も7年もおまえと一緒だったわけだから、突然1人で寝るっていうのはちょっと、寂しいかもな」
言ってから、ツナははっとまた馬鹿にされるかと身構えたが、しかしその必要はなかった。
「じゃあ、いいじゃねーか」
リボーンはフンと鼻を鳴らしたあと、早々にツナに背を向けてベッドに入ってしまった。へっ、と呆気に取られているツナを尻目に口を開く。
「だいたい俺はここが気に入っているからな。おまえに気遣われる謂われはねぇ」
そう言って、それ以後は黙ってしまった。
ツナは瞬きを繰り返す。リボーンが言った言葉を頭で反芻して、そして出てきた答えににこりと笑った。
「そっか」
満面の笑みを彼の背に向ける。そして抱き締めていた枕をベッド上部にぽいと投げ出して、その上にぽすりと頭を乗せた。
「じゃあ、おやすみな。リボーン」
「あぁ」
にこにこと笑みを浮かべながら、向けられた彼の背中を見つめる。そして何秒も経たないうちにツナはその目蓋をゆっくりと下ろした。
かちかちと掛け時計の秒針が時を刻む音と健やかなる穏やかな寝息が部屋の内に響き渡る。先程の会話から十数分が経ったのち。
静寂を保っていたベッドの上で、何かがもぞりと蠢いた。
「ったく、妙な考え起こしやがって……」
それまで静かにベッドに横たわっていたリボーンが、むくりと上体を起き上がらせた。がしがしと頭を掻きながら、隣で寝ているツナを見やる。
彼女は起きる気配も見せず、ぐっすりと眠っていた。完全なる、無防備な姿。
「………俺がどーゆー気持ちでここで寝てると思ってやがるんだ」
リボーンはツナのその姿を見とめて、はぁと息をついた。
昔からの慣れという所為もあるかもしれないし彼女が自分のことを身内のように見ている所為もあるかもしれないが、それでもここまで安心して眠られると少し複雑な気分になってくる。リボーンはツナの顔をぼんやりと眺める。
安心しきった彼女の表情。今はまだそうでも、けれどあと数年経てば、そんな表情はさせない自信が、リボーンにはあった。
「覚悟しとけよ」
にたりと笑う。そして宣戦布告を渡すように、リボーンはツナの額をぴんと指で弾いた。
境界線よりまだ遠く
(とにかくお題/squeezed orange)
リボ様は日々理性との戦いです(笑)
でも他のヤツにツナの隣を掻っ攫われるぐらいなら理性との戦いの方を選びます。むしろ他のヤツにこの場所を掻っ攫わせる気は毛頭ないのでしょう。
悶々してる攻めが大好きです(曇りなき眼)
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