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計量の日
女子というものはたいてい、ちっちゃくて柔らかいものだと山本武は思う。
いい匂いがして癒されて、俗に言えば己の欲望を駆り立てる。目の前の少女だってそうだ。ふわふわとした亜麻色の髪は香水とは違う甘い匂いが香っている。ころころ変わる表情は見ていてとても愛らしい。自分よりももちろんずっと小さくて、見上げてくる顔が好きだと何度も山本は思った。
ツナは自分とは違う女の子だ。抱き締めたらあったかいし柔らかい。まろい匂いにどきどきする。
けれど山本はこうも思った。目の前の少女は、同い年の女子としては少し細すぎるんじゃないだろうかと。
すっくと立ち上がる。
するとツナの不可思議だと言わんばかりの瞳とかち合った。
「どしたの?」
「んー。なーツナ、ちょっと立ってみ?」
「う、うん」
よく判っていない顔でツナは立ち上がる。
立ち上がらせると体格差はより明瞭となった。山本の胸元までしか背丈はない。その幅もおよそ半分ほどしかない。道理でいつだってすっぽりと抱き締めれるはずだ。
「山本?」
こてりと首を傾げてくる。その首も何かの拍子で折れてしまいそうだ。細い。
下から掬うように手を添えて、山本はツナを抱え上げた。
「うわっ」
バランスを崩しかけたツナの手が山本の肩に掛かる。それでも、いくら力をかけられようとも圧力はまったく感じなかった。
「えっ、な、なに!?」
「ツナー」
想像以上に軽かった。こんなに軽かったら、自分の知らない間にひゅんと風に飛ばされてしまうかもしれない。それはいやだ。そんなこと絶対自分はたえられない。ツナを抱き上げたまま山本はこつんと彼女の額に額を当てた。
「おまえ、もちょっと飯食えって」
真剣に言った。冗談なんか言わない。ずっと一緒にいたいから、もう少し重くなってもらわなければ困るのだ。
ツナはわずかに頬を染めたまま、困惑した表情をしている。意味わかんないよ山本!幸いにもツナの心の中の声が真剣な山本に届くことはなかった。
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